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若者たちが性交相手を見つける場~「歌垣」


歌垣は古代の出会い系!?

わが国には古来、「歌垣」(うたがき)という「出会いの場」がありました。若い男女が人里離れた薄暗い場所に大勢集まり、歌を通じて口説き合うというイベントです。有名な場所としては筑波山などがあり、「筑波山にいって、セックスできなかったら男じゃない」と言われるほどに、性的な集会でした。「歌」というのは、音楽のことではなく「和歌」のこと。詩的な言葉のやり取りによって相手をその気にさせ、気が合えば茂みに入っていき性交するのです。和歌を作るにはそれなりの知性も必要です。歌垣は、知的でエロチックなパーティでした。

元々は結婚相手を見つけるための「婚活」イベントですので、一対一が原則ですが、必ずしも「一発」では満足できないケースも生じます。バイアグラなどない時代ですので、緊張で勃たなくなった男を相手にしても仕方がないので、女性はすぐに他の男を探しに戻ります。色んな相手を比べてみたいという欲求もありますので、藪で一線交えた男女が、再度歌垣に加わり別の相手を見つけて藪でセックスする、ということも起こり得ました。

個室があるわけではありませんので、行為の最中に隣のカップルとぶつかったり、互いに見せ合ったりということもありますし、よがり声はみんなが耳にすることになります。目当ての女性が他の男に抱かれるのを目にして、たまらず横取りする男性もいたでしょう。次第に歌垣は乱交パーティ化していきました。

言霊で相手を支配した!?

古代のわが国においては、言葉には魂が宿っていると考えられていました。言霊(ことだま)と呼ばれ、言語を通じて相手に魂をぶつけるのです。男が女に強い言霊をぶつければ、相手の女性はその男性に惹かれます。性的にも支配され、言われるがままに体を開き、ペニスを受け入れるのです。これによって、カップルが成立し、夫婦となります。

古代には、現代ほどの人口が多くありません。ざっくりと言えば、現在の20分の1ほど。地方の村では、若者が10人しかいない、などということもあったでしょう。学校があるわけでもなく、一定の年齢になれば皆、農作業に駆り出されるため、若者たちが出会うチャンスがありません。そこで、地域の若者を一同に集めて、集団見合いをさせるイベントが成立したのでしょう。年に1度か2度しかない機会ですので、とても貴重です。ここで成果を得られなければ、またしばらくはオナニーで慰めるしかありません。男も女も「何としても、今日は性交して帰る」と心に誓って参加しました。ワンチャンスをものにしようと、若い男女がハイテンションで言霊をぶつけあいました。

若妻も参戦した!?

多くのカップルがここで出会い結婚しますので、歌垣は「青春の思い出」となります。結婚後も「あのときの興奮が忘れられない」という人妻もいて、夫婦で参加することもあったようです。いわば、スワッピング的な楽しみを求めて、若者たちに加わるわけです。万葉集には、「人妻に吾(あ)も交はらむ吾が妻に人も言問(ことと)へ」とありますが、夫婦で参加した男性が、「僕もよその人妻と性交するから、誰か僕の妻に挿入してやってくれ」と歌っているのです。

農作物を分け合う共同体の生活においては、人妻の体もペニスも共有する文化が存在していたのでしょう。ペニスとヴァギナのつながりが広くなれば、それだけ仲間意識も高まったはずです。村を守り、発展させるという観点からも、必要なものだったのかもしれません。

おおらかな性の祭典として、性欲の発散の場として、歌垣は多くの男女の楽しみとなっていたのでしょう。

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