オナニーは罪なのか?


オナニーは聖書に描かれた由緒正しいものだった!?

自慰行為のことをマスターベーションと言いますが、その語源は実ははっきりとした定説がありません。一方、「オナニー」についてははっきりしています。旧約聖書に登場する「オナン」という男性の名前から創られた言葉です。オナンが世界で始めてオナニーをしたということではないのですが、彼の行為が元となってオナニーが誕生しました。

オナニーは罪なのか?

一昔前の中高生向け雑誌には、しばしば「オナニーのやりすぎ」に関する相談が寄せられていました。現代ではそんなことで悩む少年少女はまずいないでしょうけれど、ほんの30年ほど前までは真剣に悩む子がいたのです。自慰行為は害になるという俗説が流されていて、それを信じる人たちが子どもにそう警告したからでしょう。思春期には性欲で頭がいっぱいになる子が少なからずいます。そういう少年少女が毎日オナニーばかりしていれば、「頭がおかしくなったかも」と心配になることもあるでしょう。
こうしたデマの発端は、18世紀のヨーロッパにありました。スイスの医者が、「オナニーが原因となる病気」という本を著し、マスターベーションを攻撃したのです。実際には、なんの根拠もない説であり、単なる嫌悪感から書かれただけのいい加減な本だったのですが、瞬く間にヨーロッパ中に広まってしまいました。精液を出しすぎると体力を消耗して知力も衰える、頭がおかしくなる、などと言われ始め、成長過程にある年代の子供にとっては「大きな害」だと思われていきます。次第に大げさに宣伝されるようになり、梅毒や淋病などと混同されて、「そのうち廃人になってしまう」とまで言われるようになりました。

妊娠させたくなくて膣外に射精したオナン

旧約聖書に登場するオナンという少年は、意にそぐわぬ結婚をさせられました。自分の兄が早世してしまった後、その妻とベッドをともにするよう命じられたのです。兄のお下がりをもらうことが嫌だったのではなく、もし妻が妊娠してもその子が兄の子とされるのがどうしても嫌だったのです。毎日兄嫁とセックスしながらも、オナンはどうしても妊娠させたくありません。セックス自体は気持ちいいものの、子供をもうけたくはない。そこで彼は、イキしそうになるとペニスを抜いて膣外に射精したのです。来る日も来る日もセックスをして、その度に膣外射精で済ませました。
実際にはオナニーをしたわけではありませんが、膣の外で射精することを「オナニー」と呼ぶようになり、自慰行為を指すようになりました。
ヨーロッパでは害だという説の流行に加え、キリスト教の影響もあって、自慰行為は厳しく禁止されました。男子の場合、思春期になって勃起するようになると、親が子供のペニスを氷で冷却したりするなど、射精させないようにと取締をしていたようです。学校でも、トイレで隠れてしないように、ドアに穴をあけて中をのぞけるようにされていました。男の子だけではなく、女子のオナニーも禁止され、繰り返してやってしまう子の場合、クリトリスを焼かれる罰を与えられることもあったようです。現代でも一部の宗教・宗派では禁止されています。悶々としながら我慢している子供が世界のどこかにいるのです。

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