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古代中国人たち考えた若いカップル向けの解説書


なんでも真面目に研究した古代中国人たちのセックス

孔子を始め、古代中国には数多くの思想家・哲学者がいました。諸子百家といわれるほどに逸材が次々と現れ、世の中の法則から倫理基準、宇宙の原理から戦争における戦術。そしてさらには、セックスの方法についても研究していたのです。そうした中で、セックスの方法論書、指南書も数々著されることになりました。世界最古のセックス案内所の一つは、「易経」です。これは、読んで字のごとく「易」の本。つまり、占い本ですが、性生活についても実際的な立場から解説しています。

しばしば古代の性の指南書は、男性の立場からのみ書かれています。最も有名な性の解説書であるインドのカーマスートラも、男性にとって役立つ内容です。性においてのみならず社会全体で男性が支配的な地位を占めていたので仕方のないことなのですが、「易経」は男女平等主義的な発想で描かれている点が画期的です。紀元前11世紀に著されたものですので、今から3千年以上前の書ですが、実にフェアな立場をとっています。

性生活にタブーなし!?

現代では、性生活にはたくさんのタブーがあります。いわゆるアブノーマルセックスといわれるもので、アナルセックスや同性同士の恋愛、3人以上の複数プレイ、SMなど暴力的あるいは拘束的な行為は一般的には行われませんし、人に語るのがはばかられるものです。フェラチオもつい50年ほど前までは一般のカップルはしないものでしたし、アメリカでは今も週によっては法律で禁止されています。
古代の中国にはそうしたタブーはありません。自由に何の制限もなく、純粋に性生活を楽しむためにはどうすべきであるか、どんなことをすれば楽しくなるのか、という観点から研究されています。こうした枠にはめない性の倫理観は、わが国にも伝わりました。
中国のものなら何でも勤勉に学んだ古代の日本人たちも、中国のこうした価値観をそのまま受け入れたことでしょう。古事記に描かれた性の世界や、源氏物語の性の遍歴などは、いわばタブーのない世界の物語です。わが国においても、昔は自由なセックスが存在していたのです。

セックスは女も楽しむもの!?

「易経」の素晴らしい点は、男も女も性を楽しむという視点で書かれていることです。男性器や女性器も含めて緻密で正確な絵を描を使って解説し、どこをどのように愛撫すると相手が喜ぶのか、どういう体位があるのか、ということを真面目に詳細に説明しています。前戯はこうでなければならない、フェラチオやクンニリングスはこうすれば気持ちよくなる、アナルセックスをするときに気をつけなければならない点はこうである、などなどです。
西洋では、近代になるまで女性にクリトリスがあることが知られていなかったと言われています。つまり、クリトリスを愛撫することも、クンニリングスをすることもなかったわけです。女性はそこそこ濡れたら挿入されて、適当にピストン運動されたらおしまい、というセックスに耐えてきました。性生活は子作りのためというキリスト教的思想に支配されていたために、悦楽に溺れてはいけませんでしたので、クリトリスには存在意義がなかったのです。中国では3千年以上前から、女性を喜ばせるために重要なアイテムとしてクリトリスが大切にされてきました。性の基本がしっかりと確立されていたわけです。

中国では古代から男女がともに楽しむものとして性行為が研究されてきました。そうした考え方に基づいて、性の指南書が、まじめに描かれてきたのです。

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